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2017.06.09 Friday
【開催報告】日本財団セミナー「いのちを支える社会づくりへ」

東京都港区「日本財団ビル」にて、日本財団国際フェローシップセミナー「いのちを支える社会づくりへ」が開催されました。

リヴオンの代表理事である「てるみん」こと尾角光美は、現在、日本財団国際フェローシップのフェローとして英国にてグリーフの研究をしております。

同じくフェロー5期で小児科医の山岡祐衣さん(オクラホマ大学児童虐待センターでリサーチフェロー)と一緒に、一時帰国の研究発表を行いました

 

私、リヴオン事務局で働いております但馬が開催報告として紹介させていただきます。

 

 

〜セミナー「子どもの死亡事例の検証制度」〜

前半は米国で研究されている山岡さんの講演「子どもの死亡事例の検証制度 チャイルド・デス・レビュー」でした。

小児科医であった山岡さんは、数々の子どもの死亡事例を目の当たりにして、予防に向けた体制構築はできないかと米国にて研究されており、その研究内容の発表は大変興味深いものでした。

 

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山岡さんが研究をされているアメリカ・オクラホマ州では1995年「オクラホマ州連邦ビル爆破事件」がありました。

168名の方が亡くなったこの事件は9.11以前にアメリカで起こった一番大きなテロ事件です。

その経験から、トラウマケアやグリーフケアが身近な問題として取り組まれてきた町でもあるそうです。

 

現在、小児死亡の死因として不慮の事故は、各年齢において上位を占めています。

数として一番多いのは1歳未満で10万人あたり8.1人、1〜4歳の14%、5〜9歳の19%が不慮の事故死とのことでした。

防ぐことができたかもしれない事故死・・・。

数字を目の前にすると、その数の多さに胸が痛くなります。

 

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「子どもの死亡事例検証制度チャイルド・デス・レビュー(CDR)」はアメリカでは1978年からはじまり、2012年には全州で導入されているとのこと。

これにより、オクラホマで小児死亡が起こった場合、外因死(殺人・自殺・不慮の事故・原因不明)であれば小児死亡の検証委員会において検討され、予防策は各関連機関への通達など、州全体の規模での提言になるそうです。

それに比べると、日本では外因死の小児死亡があった場合、警察に連絡され検死が行われ、必要があれば司法解剖されたうえで火葬されます。予防に活かすための情報収集体制・検証体制がないということです。

 

山岡先生は日本での小児死亡事例検証体制の構築に向けて、法整備やガイドラインなどの体制づくり、多機関における相互理解と協力体制、研究体制の整備などを挙げられていました。

 

〜事例検討ワークショップ〜

グループごとに子どもが溺死した事例(救急搬送情報、病院情報、警察による検死情報)を読みながら、子どもの死亡につながったであろう要因と、どんな背景情報が必要かを挙げていきました。

母親が友人宅で、子ども2人(1歳と6歳の子)子どもだけで、お風呂に入らせていて、1歳の子が亡くなった事例でしたが、例えば「成長度合いは個人差があって、歩ける子も入れば、歩けない子もいるので、亡くなった1歳の子はどうだったのか」といった視点や「お母さんが心肺蘇生できなかったのはなんでなのだろうか」といったことを議論しました。

 

そして、追加情報(児童相談所情報、祖父母からの事情聴取、母親からの事情聴取、司法解剖結果、保健師からの情報)を読んだうえで、このケースがどの程度予防可能だったかを話し合い、このような事故を予防するためには、どのような介入が必要かを検討していきました。

 

最初の情報では医療情報に限られており、様々な可能性が考えられました。

追加情報では様々な機関や視点からの情報となっており、より事故の要因が具体的に推測できました。

このワークから、様々な機関からの情報を集めることの大切さ、それをまとめる横のつながりの重要性、それが揃ってこそ初めて死亡事故に至った要因や予防策を考えることができるということが分かりました。

 

山岡先生の話の中にもグリーフサポートの大切さを改めて感じることが随所にありました。

そして、先生もその必要性を仰っていました。

子どもの虐待や事故、その現場にはおそらくたくさんのグリーフがあり、サポートを必要としている人がいるでしょう。

各所でのグリーフケアの必要性は大きいだろうと思いました。

子どもの死亡事例の検証制度が構築されていく中で、グリーフケアが置き去りにならずに、ともに整備されていくことを祈るばかりです。

 

山岡先生のこれからの研究を心より応援しております。

貴重なお話をありがとうございました。

 

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〜セミナー「死別を支えるグリーフケア」〜

後半はてるみんによる講演「死別を支えるグリーフケア〜日英の社会政策の視点から考える〜」でした。

 

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てるみん自身の抱えるグリーフについて、そしてここまでに至るプロセスについて、自己紹介とともに。

 

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「グリーフ」という言葉を初めて耳にする方もいらっしゃったので、グリーフとは何か、そして、その多岐にわたるその影響や課題について説明がありました。

 

F英の社会政策の視点から見るグリーフについて

リヴオンが目指しているのは「いつ、どこで、どんな形で大切な人をなくしても 必要なサポートに確実につながる社会の実現」です。

それには、いかに情報を確実に届けていくか・・という事が重要になります。

確実に出会う人たち、病院や行政・警察・消防や宗教者や葬儀社などがご遺族に情報を届けていくことができたら、確実にサポートを届けることができます。

日本ではまだまだそれが出来ていないのが現状です。

では、イギリスは・・というと、きちんと社会政策として取り組んでいることが、日本より大きく一歩先へ進んでいるところだそうです。

イギリスでは、行政(日本の厚生労働省にあたる機関)のサイト内に、自分の住んでいる地域を入力すると、受けられるグリーフサポートの一覧が出てくるというから、すごいですね。

 

「グリーフケアにおけるBig Mac理論」

マクロ・・・政策、グローバリゼーション、テロリズム、少子高齢化、自然災害、文化・社会規範

メゾ・・・・機関や組織(病院、宗教教団、葬儀社、NPO、学校、行政など)

ミクロ・・・グリーフを抱えた人たちの個別的な反応や課題や状況、支援やケアに関わる人、ひとりひとり

 

マクロな問題とそれを抱えるミクロな存在。それを繋ぐメゾという存在こそが大事で、大切な役割を担っているとのこと。

私たちリヴオンも、メゾの存在として、その役割を果たしていきたいと思います。

 

最後に、死別を経験した子ども・若者の話がありました。

22分に1人、だれかが親を亡くしています。

29人に1人、だれかが親を亡くしています。

 

日英の死別を経験した子どもへの支援はどうでしょうか。

イギリスでは先日大幅な遺族年金のカットが発表されたそうです。

資金不足の中での苦渋の決断。日本の未来も決して他人事ではないでしょう。

 

日本とイギリス。

グリーフサポートにおいて、一歩先を行くイギリスではありますが、世俗化や過度な医療問題化、グリーフをとりまく問題は多々あり、イギリスもやはりスタートラインに立ったところだというてるみんの言葉が印象的でした。

イギリスのグリーフの研究を通して、日本のこれからのグリーフサポートが当たり前にある社会の実現に向けての課題が見えてくるかもしれません。

実現へ向けて一歩一歩近付いていけることを願っております。

 

〜ワークショップ〜

お父さんを自殺で亡くした17歳の男の子の事例を読み、この子どもの抱える問題と考えられる支援をテーブルごとに検討しました。

 

ワークは、やはりいろんな視点から意見を出し合えるのが魅力です。

トラウマケア、分かち合いの場の必要性、経済的な支援、母へのサポートなど・・様々な意見がありました。

短い時間で、正直もっと深く話したかったし、他のテーブルの発表もたくさん聞きたかったなと思いました。

でも、短い中でもたくさんの気付きが各グループに生まれていたなと、有意義な時間だったと感じました。

 

 

私も普段一緒にてるみんとお仕事しながらも、イギリスで研究している内容をゆっくりと聞く機会がなかったので、貴重な時間となり、とても嬉しかったです。

 

前半・後半のどちらのテーマにも共通して言えることは、情報提供と横のつながりの必要性。

残念ながら、今の日本ではまだまだ縦割りな社会で、横の繋がりが少ないように思います。

てるみんも言っていました。

「病院関係者やNPOや宗教者が一緒に集い、考えていける場があったらよいですね。」

それぞれができるサポートがあり、情報交換できる横のつながりができたら、グリーフサポートもパワーアップできると思います。

そういった情報を集約して、いつでも誰でも取り出せるようなシステム作りができたらいいですね。

 

今日はそれこそ様々な機関の方が集っていて、一緒にそんな社会を作っていける仲間がぐっと広がったような実感がありました。

 

 

 

| okaku-terumi | 講演会 | 13:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2013.08.31 Saturday
第二回 弔い百年塾「最高の葬儀を考える」


ゲストの講師に日本のエンバーミング第一人者の橋爪 謙一郎氏と僧侶でありながら病院でケアに携わってきた大河内 大博氏をお呼びして、すべての人にとって最高の葬儀とはどんなものなのか改めて考える時間にしたいと思います。

講演だけでなく、参加者同士の対話型のワークショップもあるのでそれぞれの立場(市民、遺族、葬儀社、僧侶、医療者など)の視点から考えを深めていける機会です。


● 会 場 築地本願寺 講堂

● 時 間 13:00〜17:00(12:30開場)

● 定 員 70名

● 受講料 8,000円(学生:3,500円)
  ※経費を除いた収益は東北の遺児支援事業に充てさせていただきます。


☆両日参加の方にはエンディング・ノート(リヴオンオリジナル)をお贈りします


● お申込み FAXまたはウェブの専用フォームよりお申し込みください

1)FAX 03-6806-7180
1.名前 2.年齢 3. 職業 4.電話番号 5.住所 を明記してお送りください。

2)ウェブ上のフォーム http://p.tl/p7uz


● 講師プロフィール

橋爪謙一郎 株式会社ジーエスアイ代表取締役
アメリカで葬祭事業に従事するとともに、ご遺族を支えるグリーフサポートを実践。帰国後、エンバーミングの第一人者ともなり、グリーフサポートの教育研修等に取り組む。
「弔い、葬儀において大切な事は、ご遺族本人が様々な思いと向き合い、感情表現をできる『場』をつくることです。そのために安全で安心できる場づくり、人間関係の構築を意識して一人一人のご遺族に向き合うことだと思います」

大河内 大博 浄土宗 願生寺副住職               
上智大学グリーフケア研究所客員所員。いのち臨床仏教者の会副代表。2002年より病床訪問を開始し、現在、公立病院緩和ケア病棟にて訪問ボランティアを実践する他、ご遺族の分かち合いの会「ともしび」を主催。
「葬儀、その後の法要は、グリーフケアの『場』であることを第一として“布教よりも寄り添う姿勢”を大切に、檀信徒と関わることを意識しています」
| okaku-terumi | 講演会 | 11:25 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2013.08.07 Wednesday
第一回 子どもの”生きる”を考える研修会
子どものすぐそばにいる先生に来て欲しい



第一回 子どもの ”生きる” を考える研修会


学校の先生方をはじめ、子どもや若者に関わるみなさんと「いのち」や「こころ」
について学び、考える機会を企画しました。

 近年関西では、大津の中学生のいじめ自殺や、大阪の高校での体罰の問題など
子どもの「いのち」や「こころ」をどう守っていくのか考えさせられる
事件も続いています。今回は、根本に立ち返り、改めて子どもの「いのち」と
「こころ」について具体的にどんなことを大切にしたらよいかを知ることに
よって、学校現場にいかせるヒントを持ち帰っていただけるような場になればと
願っています。

●概要

日 付:2013年9月8日(日)
時 間:13:00 -17:30
定 員:50名
参加費:1000円(資料代)
対 象:小中高大の教職員、子どもに関わる方々(保護者、臨床心理士、ケースワーカー、
    児童館や児相の 職員、子ども支援のNPOの方、宗教者など)
場 所:京町家・ちおん舎(京都府京都市中京区衣棚町三条上突抜126)
申 込:山科醍醐こどものひろば こども生活支援センター
    申込時に〇疚将∀⇒軅茘ご職業をお聞かせださい。
    Tel / Fax:075-201-3490 mail:we.kodohiro@gmail.com

●スケジュール
13:00 オープニング
13:10 ご挨拶
13:45 パネルディスカッション 「子どもの居場所 大人の居場所」
15:25 対話の時間(※OST)
17:30 終了予定

※OSTとは「オープンスペーステクノロジー」の略称です。
一人ひとりが関心を持つ課題を出し合い、テーマを絞ってグループごとに
対話しながら課題の解決のための知恵を出しあったり、考えを深める
ワークショップです。

●パネルディスカッション パネリスト
土肥 いつき氏(京都府立高校教員)
1992年に京都在日外国人生徒の交流会をはじめ、全国在日外国人生徒交流会
の世話人になる。2006年にはトランスジェンダー生徒交流会をはじめる。
自分自身であれる安心できる居場所づくりのみならず「ありのままのわたしを
生きる」をテーマに全国で講演にも呼ばれている。

尾角 光美氏(一般社団法人リヴオン代表)
2003年に母親を自殺で亡くす。2006年から自殺予防や遺族のケアに関して、
全国の行政、寺院などから講演、研修に呼ばれる。中高、大学では「いのちの
授業」(自殺予防教育)を実施。2009年にはリヴオンを立ち上げ
『102年目の母の日』(長崎出版)編著。

村井 琢哉氏(NPO法人山科醍醐こどものひろば)
NPO法人山科醍醐こどものひろば理事長 関西学院大学人間福祉学研究科
前期課程修了。社会福祉士。子ども時代より活動に参加し、運営の担い手に。
2013年5月より理事長。多様な子どもとの活動を支える担い手育成や、
地域連携による居場所づくりに取り組む。

●主催団体
一般社団法人リヴオン 
「死に直面した誰もが必要とするサポートにつながる社会の実現」を
ミッションとして、「つどいば」と「いのちの学校」という遺児支援
グリーフケアの場づくりや全国の中学〜大学で「いのちの授業」(自殺
予防教育)に呼ばれ、現在自殺予防教育の研究、プログラム開発を
行っている。

●協力団体
NPO法人山科醍醐こどものひろば 
地域に根ざし30年、地域に住むすべての子どもたちが、心豊かに
育つことをめざし、地域の社会環境・文化環境がより良くなること
を目的に活動している団体。子育て支援、まちづくり、子どもの貧困
もうひとつの居場所を目指し様々に連携して活動している。

●後援 京都府臨床心理士会 京都府教育委員会(申請中)

| okaku-terumi | 講演会 | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2013.07.12 Friday
「大切な人を失った子どもたち〜これからのグリーフケア〜」講演会レポート
 もし、私たちが、大切な人を失った子どもを目の前にしたら、一体何ができるのでしょうか。2013年6月29日、大阪市で開催された「大切な人を失った子どもたち〜これからのグリーフケア〜」と題された講演会に参加してきました。講師は、30年以上にわたり、死別・喪失体験やトラウマ体験をした子どものケアに取り組んできたシンシア・ホワイト氏。作家、こどもの本の専門店クレヨンハウス主宰でもある落合恵子氏。元あしなが育英会レインボーハウスチーフディレクターで、現在子どもグリーフサポートステーション代表の西田正弘氏。ぐりーふサポートハウス副理事長で、家族を自死で亡くした人へのサポートを大阪府で行っている佐藤まどか氏でした。最初に講師それぞれに講演があり、最後にシンシア氏、落合氏、西田氏の対談の場が設けられました。



 講演の中で落合氏は「私たちが、きわめて個人的だと思っているかなりの部分は、実はシェア(共有)できることなんですね」と、おっしゃいました。その言葉通り、講師それぞれが自らの体験を元にグリーフケアについて語って下さいました。その中で、一部ではありますが、ご紹介させてもらいたいと思います。

 シンシア氏の講演のタイトルは「日本の将来のために:グリーフケアとトラウマ」でした。そして、コフィー・アナン氏(ガーナ出身の国連事務総長で、ノーベル平和賞を受賞者)の「知識は力です。情報は人びとに自由を与えます。教育は、どの社会においても、どの家庭においても、進歩の前提になります」という言葉から講演が始まりました。現場の経験をもとに、グリーフやトラウマの知識、情報を中心に話してくれました。


グリーフ(喪失)を乗り越えるというものではない
 
まず、シンシア氏は「喪失」について話してくれました。私自身改めて「喪失」とともに生きていくことについて考えさせられました。喪失を経験した直後の人にとっては、「喪失」とともに生きるという状態までには、長い時間を要することもあるかもしれません。
 「(ある人が喪失を体験したとして)時間が経つに従って、その変化に対して人は適応するようになってきて、喪失したということを自分のアイデンティティの中に取り込んでゆけるようになります。そして(喪失が)自分のライフストーリーの一部になるのです。すなわち、グリーフ自体が、自分の中の定義に組み込まれていく。従って、グリーフを乗り越えるというものではないのです。人はグリーフから学びます。そして出来れば、その経験を人のために使っていきたいと願うようになるのでしょう」。


子どもの語りを待つこと
 
また、シンシア氏はトラウマを経験した、あるいはグリーフを経験している子どもたちへのケアには、主たる目的として次の4つのことを挙げました。「安全であること」「ボランティアのスキルの習得」「意味を持たせること」「レジリエンス(逆境における回復力、弾力性)と社会的ネットワークづくり」です。その中でも特に「意味を持たせること」については「過去のトラウマの見方に意味を持たせ、将来を適応的な見方でとらえるよう発展させること」「将来への希望を取り戻すこと」「アート、遊び、映画、物語などの象徴的な手段を通して、物語を語らせ、意味を持たせること」が挙っていました。また、ここで注意したいことは、この「物語を語らせ」ということは、話をさせるように質問をするのではないということです。シンシア氏は「東北において『つなみ』など悲しい経験について、子ども達はわざわざ聞かれなくても何が起きたかを大人達に話し出します。ただ(大人から)聞かれた時は黙り込みます。そうなるとシャットダウンしてしまうのです。ヒーリング、癒しの過程において、無条件の愛情によって、レスポンスを聞くことが出来るのです」と伝えていました。

 シンシア氏の講演で、私は「喪失(グリーフ)」という言葉が、講演を聞く前よりもますます身近になったように感じました。そして、私自身、自分の「喪失」を少し見つめ返してみたいと思った時に、次の登壇者、落合氏の講演が始まりました。偶然にも、落合氏の話は、自身の幼少期の話、母親の看取りの話、と自らの「喪失」についてからスタートしました。


「自分のこころの声に耳を傾けること」から始まるグリーフケア
 
「悲しみと向かい合うためには、あるいは子どもの悲しみにーーどこまでかは分かりません。100%完璧にというのは、あり得ないのではないかなと思いますーー可能な限り寄り添うためには、まずは私たち自身が、自分の痛みとどこまで向かい合っているか、ということがとても大事なことではないのか、とずっと思っています。『誰かを大切にしなさい』という教育はこの国でもされていますが、その前に『自分を大切にしましょう』という問いかけは、どこまで浸透しているのか。『誰かの声に耳を傾けましょう』ということは大事なことですが、では自分の心の声に私たちはどれだけ、耳を傾けているでしょうか。そんなことを考えますと、子どもの悲しみと向かい合う、子どもの悲しみに寄り添う『グリーフケア』というのは、そのまま、大人が、自分自身の悲しみや痛みと向かい合う、そこからスタートしても決して遅くはないのではないでしょうか」。

30代に迎えた第二の誕生日
 
また、落合氏は参加者に「20代の人」、「30代の人」…と会場に投げかけ、それぞれに手を挙げてもらってからこんな話を始めました。「私は、30代が私の誕生日と思って生きてきました。子ども時代、10代、そして会社で勤めていた20代、私は私でありながら、私になりたいと思いながら、いつも私から遠ざかる私自身を見つけていない、そんな気がしています。30代で今まで勤めた会社を辞めて、ものを書くんだということと、東京、大阪にある子どもの本の専門店をスタートしたのが、私の第二の誕生日だと思っています」。
落合氏の言い切らずに余白を残すという伝え方、言葉を一つ一つ丁寧に紡ぎだすそのあり方に私は大変感動を覚えました。そして「第二の誕生日」という言葉ひとつをとったとしても、落合氏の「自分の生き方を丁寧に見つめる姿勢」が感じられました。また、落合氏は後半で、このような言葉を残されました。「人の強さとは、人が生きていく上の、切なさや、悲しさや、どうしようもなさや、同時に自分の中の弱さを知ってこそ初めて、人はもっと『しなやかな強さ』にたどり着けるのだと思う」。子どものグリーフケアに関わる時「私たち一人ひとりの生き方が問われている」そんな風に感じた落合氏の講演でした。


その人の持つ力を信じること
 
西田氏と佐藤氏の実践報告においては、それぞれの活動を通しての気づきや、今後の課題を示してくれました。
 まず、カウンセリングスペース「リヴ」の代表でもある佐藤氏はスタッフに求められる力として、次の6つを挙げました。「自分自身のことを知っておくこと」「その人の持つ力を信じること」「コントロールしないこと」「子どもから学ぶ姿勢」「正解がないことを理解しておく」「スタッフ間での信頼・仲間との支えあい」。その中で「その人の持つ力を信じること」について、もう少し触れたいと思います。
 「『この子達に、なんかしてあげなあかん』とか、『私がこの家族をなんとかせなあかん』ではなくて『この人たちの中にある力をどんな風に使えばうまくいくんかな』とか、その人が持っている力をどういかしてあげるかということを見るのが、必要な力だと思っています」。
リヴオンにおいて、私は「目の前の人が持っている力を信じること」を身を持って教えてもらっているように思います。自分の中の「こたえ」や「ちから」に私自身が気づくまで、問いかけてもらったり、隣で待ってもらったことに何度も何度も助けられました。「自分の中にある力を信じてもらうこと」は、自分が自分として生きていく力を育んでもらっているようにも感じます。そう考えると、人は違えど、場面は違えど、大切にしている何かの共通点があるような気持ちで講演を聞かせてもらいました。

 また、この講演会の主催者でもある西田氏は、最近のグリーフケアに関する調査なども交えつつ、今後のグリーフケアの課題について大きく分けて次のことを示してくれました。「『グリーフサポート』への社会的な理解を広める」「子どもに関わる人に、子どもの喪失体験、グリーフの理解を広める」「グリーフサポートに関わる人材を育てる」「医療、福祉、教育の専門家にも『グリーフサポート』の理解を」「『当事者の声』に耳をすます」「下方比較ではなく『ニーズ』にする力をつける」です。どれも容易なことではないかもしれません。対処しなければならない問題も多くあるかもしれません。しかし、そんな風に考えたとき、対談の最後にシンシア氏からこんな言葉が送られました。


ストーリーを分かち合うことは力を分かち合うこと

「皆さん一人ひとりが、ストーリーをもっていらっしゃると思います。皆さんが経験されたこと、そして、そこから学ばれたことが、みなさんのストーリーになっているはずです。そして、そのストーリーというのが皆さんの力、強みになっていると思います。そして、ストーリーを分かち合うということは、すなわち、その力、強さを分かち合うということだと思います。したがって、このサポートするということは、相手に力、強さを与え、分かち合っていくことになると思います。子どもたちが、絵本、童話から力をもらうように、みなさんのストーリーから、力を分かち合うことが出来るのだと思います」。

 子どもに関してだけではなく「グリーフケア」に関わることは容易なことではないと私は思います。しかし、誰しも、それぞれかけがえのないストーリーを持っていること、そしてそこには力があることを忘れずにおきたい、と思いました。「グリーフケア」そして「自分自身」を学ばせていただいた、この時間をリヴオンの「つどいば」「いのちの学校」など様々な場面でいかしていけたらと思います。(瓜)





| okaku-terumi | 講演会 | 16:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2013.06.11 Tuesday
【弔い百年塾、明日開講!!】
いよいよ明日開講となりました!まだまだ参加も受付ておりますので、お時間の許す方は是非ご参加ください。前日ないし当日にお申し込みの方は、ご来場の上、受付で参加費をお支払いいただくこともできますのでご安心ください。

弔い百年塾の第一回目のテーマは「葬儀と弔いの原点を考える」です。葬儀と弔いを考えるということは「死」を考えることであり「死」を考えることは「生」「自分の生き方」を考えることだとも思います。今回の「弔い百年塾」では、ご講師、来場者の皆様と共に「葬儀と弔いの原点を考える」時間、そこから見える自分の生き方へのヒントに出会える時間の様な気がして私自身、明日がとても楽しみです。

皆様と会場でお会い出来ること、楽しみにさせていただいております。 また残念ながら今回ご都合がつかない方へ、実あるご報告ができればと思います。(瓜)




●第一回
「葬儀と弔いの原点を考える」2013年6月12日(水・友引)

高野 登氏×是枝 嗣人氏

●第二回
「最高の葬儀を考える」2013年10月15日(火)

橋爪 謙一郎氏×大河内 大博氏


会 場:築地本願寺 講堂
時 間 : 13:00〜17:00(12:30開場)
定 員:70名
受講料:各回8,000円(学生:3,500円)
※経費を除いた収益は東北の遺児支援事業に充てさせていただきます。

⁂両日参加の方にはエンディング・ノート(リヴオンオリジナル)をお贈りします

<お申込み>
FAXまたはウェブの専用フォームよりお申し込みください

1)FAX 03-6806-7180
 ①名前②年齢③職業④電話番号⑤住所
 を明記してお送りください。

2)ウェブ上のフォーム http://p.tl/p7uz


<イベントページ>
http://www.facebook.com/events/467402906681864/?ref=14
| okaku-terumi | 講演会 | 12:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
2012.04.28 Saturday
【講演会】安心も後悔も悲しみも、まんま大事に




愛知県岡崎市にある図書館交流プラザ(りぶら)で

さかい税理士事務所主催講演会 人間力向上シリーズ
「物語ることの力」

と題して講演に呼んでいただきました。
当初の参加申込み者を上回り50名もの方に聴いていただき
感謝いたします。

さて、講演の中で必ず冒頭に「グリーフ」のお話をします。
グリーフ、喪失を経験すると反応には「悲しみ」も、「怒り」も
「後悔」もあれば時には「安心」さえもあります。
その人、その人によって本当にそれぞれです。
私自身、母の死後、「死にたい」と繰り返し言われる毎日から
「解放された」と感じることがありました。

今日の講演の後に話しかけてくださった方の中には

「親が亡くなって安心した気持ちをもっていたけれど
それをいけないことと思っていたので、”それも自然”と
言われて本当に今日はこれてよかったです」

という感想を聞かせてくださった方もいらっしゃいました。

生まれてくる感情、反応にいいも、悪いもありません。
その人なりの「自然」な感情、反応であってそれを
ジャッジする必要はないのです。

改めてこのことを多くの人に伝えていかなければいけないと
思いました。
つい私たちは「落ち込むこと」よりも「立ち直ること」
「悲しむ」よりも「乗り越えること」を求めてしまっては
いないでしょうか。

立ち止まって、相手の感じるまま、ありのままを
まず認められているのか、確認してみませんか。

悲しみも、怒りも、安心もすべてまるごと
抱きしめるかのように、まーんま大事にすること。

それがグリーフに向きあう上で欠かせないことだと考えています。

| okaku-terumi | 講演会 | 23:29 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |