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2015.08.26 Wednesday
僧侶のためのグリーフケア連続講座 レポート【1】

7月30日に築地本願寺にてリヴオン主催の「僧侶のためのグリーフケア連続講座in東京」
の第一講が開講されました。

受講生のお一人に、受講した想いや、学んで感じたことを8月6日にインタビューしたものを
ここでみなさんに共有したいと思います。

★プロフィール
久松彰彦さん 1990年生まれ 25歳



曹洞宗の大安寺徒弟で東京大学大学院に在学中。教育心理学、宗教学を学び
現代において宗教が死に対して持っている役割に興味を持つ。大学院入学と
共に休学して修行に入り、昨年十月に修行を終えて復学した。現在は大安寺
にご家族と共に暮らす。苦手な食べ物はうずらの卵。

☆インタビュワー
リヴオン ファシリテーター 水口 陽子
リヴオン インターン生 向坂 くじら(ペンネーム)




*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。..。.。o○*:.。


水口 まず最初に、受講動機についてお伺いしたいです。
   どうしてこの講座を受講したいと思われたのですか。


久松 未来の住職塾という講座で知り合ったお坊さんに大学でもよくお会い
   していて、その人に紹介して頂いたのが直接のきっかけですね。
   グリーフ、グリーフケア、グリーフワークという言葉は大学の授業を
   通して知っていました。あと、修行が終わって帰ってきて、葬儀に
   行ってご遺族の方とお話する場面になっても、どういう話をすれば
   いいのか、どういう風に語り掛ければいいのか、語り掛けていいの
   かっていうところが全部わからなくて。そういうわだかまりみたい
   なものはずっとありました。僕は年齢的にはだいぶ若僧なので、
   あまり説得力を持って言えないというか、受け取ってもらえない
   だろうなという部分も結構あって。
   どうすればいいかわからないもどかしい思いをすることも結構ありますね。
   なので、グリーフ関係の講座があると聞いて、ぜひ受講したいなと思いました。


●大安寺本堂

水口 グリーフケアという言葉は大学の授業でも出てきたとのことですが、
   その時にはどう思われていたのですか?


久松 グリーフケアって、一方的に癒してあげるというスタンスはだめ
   なのだろうなと思っています。これは今回の講義でも言われてい
   たことですが、サポート的な面でやっていかなくてはいけない
   だろうな、と。
   東北のボランティアに行ったとき、そこでやったのがハンド
   マッサージだったんです。仮設住宅で避難してらっしゃる方
   の手をマッサージして、少しお話をして、というようなもので
   こういうのがグリーフケアに近いのかなと思いましたね。
   やっぱり耳を傾けるところから始まるものなのかな、と。


水口 受講内容を振り返りつつ、それぞれ感じたことについてお伺いしたいと思います。

「My Goal」
講座のはじめに、本連続講座を受講した後にどうなっていたいか
一番得たいこと、生み出したい変化などについて書いていただき
テーブルごとに発表・共有をしていただきました。


久松 ゴールを明確にするっていうのは大事なのかなと思いました。
   最初ははっきりしない「これ受けたいな」というくらいの
   もやもやした気持ちで受講していたので、「受講してどう
   なりたいのか」と考えることで、「自分はこの講義をどう
   活かしていけるんだろう」という姿勢で講義を聴けました。
   自分のゴールについて自覚することが必要なんですね。
   他の人のゴールも聞いて、人それぞれ目的が違うのだな
   というのを改めて思いましたね。いろんなバックグラウンド
   の人が集まっていることに気づけたのは大きかったです。

水口 ちなみに、久松さんは今回のゴールをどう書かれましたか?
   
   
● 久松さんの「マイ・ゴール」
   「悲しみに寄り添うとはどういうことなのか、自分なりのあり方を見つけたい」


水口 受講前から「寄り添う」という感覚をお持ちなのですね。

久松 カウンセリングの授業などで、やはり共感が大事だとは
   言われましたね。押しつけがましさや分かった気になって
   いる態度が相手を傷つけることはあると思います。自分は、
   仏教の教えを完全に理解できているわけでもないし、
  「死はなんなのか」という問題に対しても自分が完全に納得
   できる答えを持っているわけではないので今の自分にできる
   のは「寄り添う」とかそういうところなんだ、と思っていますね。


「てるみん一人称の物語」
講師 尾角光美のプロフィールとグリーフの歴史、
なぜリヴオン設立や僧侶との活動に至ったのかを紹介する中で
個人の人生の物語を通して学ぶ」時間となりました。


水口 何か印象に残ったところはありましたか。

久松 グリーフに対する反応として、「ほっとする」と
   いうのも自然な反応のひとつだと言われていて、
   そういう考えはすごく救いになると思いました。

  「ほっとする」っていう気持ちがあって当たり前
   っていう考えはいろいろな人のためになるだろうな、と。


● グリーフケアについての講義のようす

久松 てるみんさんは僕には想像できないような経験を
   されてきたんだろうなあ、ともすごく思いました。
   講義中も映像の中でも笑顔でしたけど、その笑顔の
   中に何を思っているのだろうと考えて複雑な気持ちに
   なったのを覚えています。

水口 ほっとする、安堵する、無反応になる、というのも
   自然な反応、という考えは学ばないと出てこないこと
   かもしれませんね。また知っていないと、そのような
   反応に対して自分を責めるほうに向いてしまうことに
   もつながりやすいので。

「グリーフについてのレクチャー」
2人組になり、話し手は「グリーフ(ケア)」について3分間で相手に説明。
聞いた内容をそのままフィードバックするというワークを行いました。


水口 久松さんは教える側・聞く側ではどちらでしたか。

久松 教える側でした。

水口 やってみていかがでしたか。

久松 終わった瞬間に三分ぴったりでよし、いけた! と
   思ったんですけど。(笑)でも終わった後にお話を
   聞いていたら、やっぱりここは解っていなかったな、と
   自分で思うところはありましたね。

水口 例えばどういうところですか。

久松 グリーフの影響の中で、「心理的影響」「身体的影響」
   「社会的影響」など、自分が気づけていなかった
   色々な側面があるというところです。
仕事や家事に
   影響したり、そういう人との関わりの面っていうのを自分は
   全然引き合いに出していなかったので、それは忘れていたなあと。
   そのあとの講義が自分の中で反省会みたいになって(笑)

水口 ペアの方からのフィードバックを頂いての感想はありますか。

久松 伝わってる感じはちゃんとあったなと思いました。



「『違い』を知るワークショップ」
「病気」「事故」「自殺」など5つのなくし方の1つについて、
グループ内で「抱える困難・課題」と「それぞれのニーズと必要なケアやサポート」を
話し合い、グループごとに全体で発表していきました。



水口 確か久松さんが参加された班のテーマは、
  「子どもをなくした親」でしたが、やってみていかがでしたか。


久松 難しかったですね。そもそも家庭を持ってもいないので。
   自分に子どももいないですし、子どものいる友達もいないので……
   実感のない状態でスタートしたので、具体的な人が出てこない
   という面で難しいなと思いました。

向坂 ワークショップを通して、その点で何か変化はありましたか。

久松 具体的な人が出てこないのは変わりません。ただ、他の方の
   実体験から、その問題に対する現実味が少し持てたかなと
   思いますね。



● ワークショップに参加される久松さん


水口 私も同じ班で参加したんですが、体験していないことを
   想像力を発揮して考えていく過程そのものも、とても大切
   なんじゃないかって感じました。ちなみに、くじらちゃんの
   ところはどんなテーマだったんですか。

向坂 自殺者の班でした。私の参加した班だと、お坊さんとしての
   立場で意見を出す方が多かったです。ご遺族の方に対して
   どう言葉をかければいいか分からなかったという経験とか、
   逆にお坊さんという立場だからこそこういう言葉が力を持った
   とか、そういうお話が多くて面白かったですね。

「チェックイン・チェックアウト」
講座開始時に日常からこの場に入るために行うチェックインと
終了時に、振り返り、日常にまた戻っていくためのチェックアウト。
今回はグリーフやケアの現場で重要な「今の自分の調子」を感じ取る
ことをしていただくために、数字をつかって10段階で評価し
その理由を一言説明していただきました。


久松 体調の10段階っていうのははじめてで、なんかみんな
   元気ないなって思いました(笑)。みんな腰か肩を痛めて
   いるのが面白かったですね。


● チェックインのようす




水口 最後に講座全体を通して、特に心に残ったことや、
   印象的だった気づきがあれば教えてください。


久松 気づきとしては、自分は実際にあったことに対する知識が
   あんまりないことに気づきました。言葉とか概念は聞いて
   いても、それが実際どういう形で現実にあるのかはよく
   わからない。でも、そういうことについて知る方法はある、
   リヴオンさんの本などから自力で事例を集めることは
   出来るんだなと思いました。

水口 事例を集めたいと感じるのですか。

久松 やっぱりリアリティが欲しいというのがあって。様々な
   悲嘆の概念の定義はリストアップされているけれど、
   そういうもののもう少し地に着いた感じが欲しいんです。
   何回考えても、具体的にはと思うと、ちょっとわからない。
   実際どうなの、ということを知っていきたいなというのが
   課題としてありますね。

水口 事例が集まることで、自分の中のリアリティが明確になる感覚なのでしょうか。

久松 もし自分が何かを話すことになっても、グリーフには
   こういうのがあってね、と言っても何も響かないと思うんです。
   自分の中で、人の経験でもいいから「悲嘆の現場」みたいなものを
   もっと分かっていればいいなあと思います。



● 講師 尾角光美


水口 ちなみに今回、様々な宗派の僧侶の方がご参加されていますが、
   そのような場に違和感はありませんでしたか?


久松 たぶんあそこに集まっている人自体が宗派にこだわりがそこまで
   ない人ばかりなのかなと思いますね。どの宗派も同じくらいの
   人数がいるので、さほど違和感はありません。
   他のところでは、こういう機会はあまりないと思いますね。
   個人的にはすごく面白いと思います。臨済の人が集まって
   話してると、それってなんですか、ってなったりとか。(笑)



● 大安寺と久松さん。とてもお天気のいい日のインタビューでした。


水口・向坂 なるほど。本日はたくさんお話しいただきまして、本当にありがとうございました。

| okaku-terumi | 僧侶・宗教関係 | 13:42 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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