「日々の一挙手一投足がセルフケアになる」
今回は、インタビューではなく、個々のワークの感想を元に
みなさんに報告をしたいと思います。
第二講は「自分自身を知る」というテーマでした
それぞれが、これまで自分に経験してきた喪失とグリーフを
振りかえる時間や、自分自身を大切にするセルフケアの力を
育むプログラム。
◆チェックイン(チェックアウト) 「今の気持ちを色で表すと?」
同じ青でも
「この窓から見える空の色」「海に行ってきた青」など
人によって
イロイロでした。
いつものように円ではじまり円で終わる、誰かがえらいわけではなく
等しくみんなが先生、みんなが生徒な場。
◆ロスライン
人生でこれまで経験してきた様々な喪失体験と、その時感じた
グリーフを表現してもらいました
喪失といったときにペットや身近な人の死別はもちろんのこと
失恋や、大事にしていた漫画を捨てられたことなど、一人ひとり
の中で経験した大切な喪失を振りかえるきっかけになりました。
人生のラインもまっすぐに描く人もいれば、ぐるぐると描く人も。人それぞれ。
Cさん
「自分の中で子供時代の体験がいまだに大きかったことに気づいた」
Sさん
「幼少期のグリーフは思い出せませんでしたが、自分の今までの
様々な苦しみや、その際どのようなことで立ち直ったのか?を
客観的に見られて、「おい若造! 悩みすぎだよ」と今の自分が
言っているようにも思えて、今はセルフケアができているんだな
と思いました」
二人一組で分かち合います。
◆レクチャー
セルフケアとはそもそもどんなものなのか、みんなでまずはイメージを
出してもらったり、講義をしたりしました。
特に「なぜセルフケアは重要なのか」「共感疲労」を力を入れて説明
しました。
Tさん
「全五講のうち、丸々一回を「聴く、癒す」ではなく「自分を知る」ことに
費やされたことに、改めて驚かされました。それだけ大切なことなのでしょうね」
Awareness (気づきの力)
ケアの際にもとても重要となる自分自身を外から観る力として
Awareness(気づきの力)というスキルを学びました。
Mさん
「客観的に自分を見る」という行為は方法がわからなくて、どうしていいのか
迷っていましたが、意外と単純な方法でも自分のことを見られるという発見が
できました。
他者のグリーフを聴いた時に身体の中に起こる反応を描きこみ、オノマトペ
(擬音語・擬態語)で表現してもらいました。
身体の反応を見る力をもつことも大事なセルフケアのベースになります。
ボディスキャン
◆セルフケアの地図
アートワークで、自分自身に必要なセルフケアのキーワード(自己肯定、安心
信頼、愛等など)をマイルストーンに置きながら、自分のためのセルフケアの
地図を完成させていくというもの。
コラージュにみんな時間が足りない!ほどに熱中していました。
地図の形も様々。持ってきた雑誌も、仏像いっぱいの人もいれば、旅行や雑貨の人も。
コラージュを終えてから三人一組で共有タイム。
並べてみると圧巻でした
◆セルフケアの傾向を知る
それぞれがこれまで行ってきたセルフケアを挙げていきます。
「内面的/身体的」「個人的/社会的」という2つの軸で分類。
同じ座禅や映画鑑賞であっても人と行うのが好きな人、一人でという人
ちがいが出てくるのが興味深いところです。
軸のどこにするかを悩みながら、ひとつひとつのセルフケア項目を貼っていきます。
鑑賞タイム。みんな他の人のアイデアも「いいね!」と新たなセルフケアを獲得。
Yさん
「セルフケア」というものを今まであまり意識したことがなく
あったとしても、座禅や写経など、敷居の高いものを想定して
いました。しかし、セルフケアは身近な行為、何気なく行って
いることがそれに結びつくのだという考え方に変わり
「一挙手一投足が自分の癒しになるような生活」を今後心がけて
いきたいと思います。
◆お寺ならではのセルフケア
最後にお寺ならではのセルフケアを話し合い、発表しました。
たくさん出てくるのと共に「座禅」もあれば「阿字観」など
宗派ならではの違いも出てきます。
中には「美坊主」というものもありました(笑)
仏教はそもそも「苦」への応答からはじまっているから全てセルフケア?!
と思わせられるような発表でした。
全体を振り返ってこんな感想もありました。最後にご紹介しておきます。
Jさん
「セルフケアができないのに相手をケアできるわけがない」
という言葉にすごく納得しました。スキューバをやったことが
ない人にスキューバを習いたいかという話は正にその通り」
Kさん
「忙しくて、気がつくと一番自分自身が疲れていることに
気がつかない時がある」
どうでしょう、第三講までにみんなどんなセルフケアを
できたか、報告が楽しみです^^
写真、校正:水口陽子、向坂くじら
文章:尾角光美